祈っても 願っても
引き戻すことのできない いのちがあります
大切な家族 ともに暮らした家族 そして自分自身
大事な存在であればあるほど
いつか来るその日に そのときのために
目をそらさず 向き合いたいと考えます
何もしてあげられなかったというもどかしさが
ずっと 後悔として残らないように
最後の最後にできること
それは――
いのちが宿っていた体を大切に
心を込めて見送り 返してあげること
だから 最後に身につけるものは
黒く溶ける化繊ではなく
立ち上るように消える天然素材を
着せてあげたいのです。